2000年7月24日
やがて道はコメガモリ沢左岸をキープするようになり、行く手を見上げると奇岩累々としているのがわかる。このあたりから登山道は岩尾根を電光型に縫って登るようになり、イブキジャコウソウやナンブトウウチソウ、ミヤマオダマキなどが見られるようになる。 ますます傾斜がきつくなり息が上がるが、ハヤチネウスユキソウやミヤマアヅマギク、カトウハコベに出会うと、頻繁にカメラを構えるようになって、遅れがちとなる。
早池峰山は超塩基性の蛇紋岩でできているそうだが、東北では珍しく『岩』の存在感が大きい山である。鎖場を通過して少し登ると、ほどなく頂上に飛び出した。10時10分だった。頂上にはお決まりの祠が祀られ、避難小屋が建っていた。山頂で大休止。どっさりかいた汗が冷えて少し肌寒い。小屋の裏手は全くの別世界。ヨツバシオガマ、ミヤマシオガマ、コバイケイソウ、ハクサンチドリ、アオノツガザクラなどが咲き乱れ、緑と岩のコントラストが美しく、まるで日本庭園のようだった。御田植場湿原では、見事なヨツバシオガマの群落を見ることができた。
下りに使った小田越ルートは、岩尾根の急降下だった。岩の表面に粒子の細かい乾いた粘土が付着していてとても滑りやすい。こちらのルートの方がハヤチネウスユキソウが多く咲いており、ミヤマアケボノソウ、キンロバイ、タカネオミナエシなども見ることができた。
途中、一枚岩を下る梯子場が二カ所待っていたが、難なく通過。正面に薬師岳を望みながら見通しのよい登山道を降りて行くと、潅木帯に入り、さらに下るとアオモリトドマツの樹林帯にはいる。 標高が下がり、暑くなって汗が噴き出してきたころ木道が現れ、ほどなく小田越に到着した。12時55分だった。、小田越から車道を30分ほど歩いて河原坊へ戻った。 早池峰山は花もきれいだったが岩の美しい、いい山だった。